花嫁のれん

毎年4月29日から始まる花嫁のれん展です。今年は第12回を迎えます。

今年は、特に3月14日に北陸新幹線金沢開業です。たくさんのお客さんが

花嫁のれん展に来て戴くことになります。

 

4月29日から始まった第11回花嫁のれん展も明日1日となりました。天気に恵まれたくさんの方に来て戴きました。

最初に「花嫁のれん」とは
加賀・能登の庶民生活の風習の中に生まれた独自ののれんで、幕末から明治時代初期のころより加賀藩の能登、加賀、越中に見られます。花嫁が嫁入りの 時に「花嫁のれん」を持参し、花婿の家の仏間の入口に掛け、玄関で合わせ水の儀式を終え、両家の挨拶を交わした後、花嫁がのれんをくぐり先祖のご仏前に 座ってお参りをしてから結婚式が始まります。
その後、「花嫁のれん」は新婚夫婦の部屋の入口に掛けられます。三日目にお部屋見舞いの仲人や親戚の女性たちが集まり、花嫁持参のお道具や衣装を拝 見に来る祝い客もあるので、、これらの来訪客のために掛けておきます。現代では、風習・しきたりを重んじる地域や旧家、石崎奉灯祭りの祭礼時などに欠くこ とができないものとして家々に受け継がれています。

「花嫁のれん展」の開催は、一本杉通りのまちづくりに、Oh Godの会(一本杉町の5人の女将さんの会)のメンバーの発案で平成16年4月始まったものです。
三十数年ここ一本杉通りも、大型店、郊外店の影響で衰退していました。一本杉通り商店街振興会でもいろいろイベント等をやっては来ましたが、他の多くの商店街と同じく再生の力にはなかなかなりませんでした。

ところが、たまたま平成15年12月3日、Oh Godのメンバーのみなさんのご縁で、森まゆみさんのお話を聞く機会を得て、一本杉通りに登録文化財を点として登録して、まちづくりをしたらとヒントを与えられそれを早速実行に移したのが始まりでした。
450メーターの通りに4軒文化財に申請することになりました。これも幸いなことに、福井工業大学の市川秀和先生が七尾の町屋を5,6年調べておられたことです。

<登録有形文化財>
高澤ろうそく店 鳥居醤油店 上野啓文堂 北島屋茶店

   さて、一本杉通りに、4軒の点ができました。まちづくりにこれを線・面的展開をしなくては再生が無く頭を痛めていました。そこに、Oh       God の会のメンバーによる「花嫁のれん展」の提案でした。
この提案を聞いた時、長年お金をかけてイベントをやって来た経験からして、お金がかからない、手間がかからない、ゴミが出ない、のれんを掛ける棒、 と古着の花嫁のれんがあれば出来るイベントで、客が通りにやって来なくてもとにかく気分的に樂であると考えた訳です。

早速、町会の仕事として、協力願いの回覧板を廻し、Oh Godの会のみなさんが手分けして町会
72軒のみなさんに協力をお願いして回り、32軒の賛同を得ることが出来ました。

第1回は平成16年4月29日から母の日、5月8日まで開催することになり、花嫁のれんの数は52枚になりました。借りれば、貸してくれた人だけでも一本杉通りに見に来てくれるだろうと21枚を借りることになりました。
のれん展示場所表示は赤い毛氈を掛けた床几を各展示している店・家の前に置くことにした。町会みんなで、これらの床几に竹炭を1キロ入れて作ったも のです。通りを訪れることによりマイナスイオンを浴びて癒され元気になっていただくびが一本杉町からのお土産です。

玄関に 二階の窓に 店内に 毛氈を掛けた床几

   竹炭は、一本杉通りの真ん中にある「一本杉公園」に90キロ埋め「竹炭埋炭公園」として、マイナスイオン一杯の公園を町会みんなで作りました。町会のみなさんはむろん。一本杉通りを訪れるみなさんに元気になってもらうことを願っています。

一本杉公園 竹炭90キロ埋炭

   「花嫁のれん展」は、予想をはるかに超える人出があり、特に女性のおとずれがあり、主催者の私たちが びっくりして、花嫁のれんの語り部にただただ熱中し、商売を忘れ、家事を忘れ、10日間が終わり、どれ位の人出であったのか通りの賑わいの写真など一人と して記録に撮った人も居ませんでした。何とか展示の写真だけ撮ってあったのは幸いでした。「花嫁のれん」はまさに、女性の宝物であった訳です。

第二回は平成17年4月25日から5月8日まで、七尾美術館の長谷川等伯の「松林図」屏風の特別展示に合わせ開催しました。第一回目を参考に文化出 版社が季刊誌「銀花」に、花嫁のれんの24頁に及ぶ特集を組み、2月に発刊していただいたお陰で「花嫁のれん展」が全国版になることになりました。
北は北海道、南は九州から、「銀花」を片手に実物を見たいとたくさんの女性郡に一本杉通りを訪れて頂きました。これもOh       Godのメンバーの人脈交流によって取材をしていただいたものです。

季刊誌「銀花」 賑わい 賑わい

   ここにもう一つ、このイベントを盛り上げる協力者が現れたのです。4月29日一本杉通り商店街のメン バーで結婚式があり、一本杉通りで花嫁道中を行うのに協力を得ることになった訳です。さらに、この花嫁道中を盛り上げるのに、国指定有形・無形文化財ので か山保存会の協力を得て、木遣歌で道中囃して頂きました。当日は朝からたくさんの人たちがひと目みたいと通りが大混雑しました。

合わせ水儀式 道中木遣の囃子 花嫁道中

   第二回は一本杉通り振興会も元気になり、「花嫁のれん展」開幕式も、七尾市長の参加も得て開催することになりました。同時に一本杉通りの石灯も51基完成しその除幕式も行われ、開催に花をそえたのと、石灯が通りのムードを一段と盛り上げました。

開幕式挨拶 開幕式のれん開き 石灯完成

二回目になると、結婚式以来、日の目を見たことの無い花嫁のれんを箪笥の中から探し出した人たちが飾って欲 しいと持参され、当初75枚くらいの展示と予想していたものが、104枚にまで膨らみ、展示場も46軒と増えました。実際、市内だけでも2万数千世帯あり ます、この内三分の一の世帯の人が持っているとしても、毎回100枚飾ってもしばらくは珍しいものを展示できることになります。明治、大正、昭和と年代 物、あるいは現代友禅作家ものと、街なかで風にゆれる花嫁のれんを見るのは、何物にも変え難い楽しみです。

期間中5万人にも及ぶ人出となり、のれんの提供者、展示する人、見学に来る人たちと三者が楽しめるイベントとんさりました。今は普段でも観光客を迎 えることになった一本杉通りでは、花嫁のれん展の経験を踏まえて「語り部処」15軒を設け、それぞれにお客様に楽しんでいただく語り部をしています。
花嫁のれんは、2軒の呉服屋さんに常時展示して語り部役を務めていただいています。

お陰で、朝日、北国、北陸中日、読売等、各新聞社、NHK,TBS,MRO,テレビ金沢、石川テレビと文化出版局やプレジデント社等雑誌に取り上げていただき能登の七尾・一本杉通りが全国版になりつつあります。
今では、能登空港も開港して能登は関東圏になった訳で関東からの一本杉通り観光が増えてきています。現にこの大雪にもかかわらず連休に千葉、東京とハイヒールを履いて若い人たちが、一本杉通りを訪れてみえると、まさに関東圏だと実感するこの頃です。

第三回「花嫁のれん展」の準備にかかっています。花嫁のれんは常時展示の難しいものです。一つはほとんど洗濯ができないことで取り扱いに注意が必要なことです。梅雨前の快適な時期に虫干しも兼ねるこの一本杉通りの「花嫁のれん展」は最適と言えるものなのです。
過去2回の反省に基づいて、より訪問客には楽しんでいただく企画をしたいと考えています。第二回には期間中、各自趣向を凝らし絵と俳句親子展、手づくり和 紙展、手づくり人形、帽子、バッグなどの作品展と盛り上がり、これらの趣向は増やしていきたいものです。案内所や休憩所もさらに充実させるなど、これから 会合を重ねながら、素晴らしい第三回にしたいと胸を躍らせています。皆さんに楽しんでいただくことに自信を得て毎年4月29日から母の日まで開催すること に決定しました。